湘南バレエコンペティション

寺島ひろみ先生 インタビュー

2014年05月06日

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昨年に続き、第二回湘南バレエ・コンペティションでもワークショップ講師&審査員を務めてくださる寺島ひろみ先生のインタビューです。ロシア留学時のご苦労や、コンクールに参加することの意義などバレエダンサーを目指す皆様へのメッセージが一杯です。ぜひご覧ください。(聞き手:事務局代表 武藤絵里)

 Q:第1回湘南バレエコンペティションの審査員をしていただきましたが、どんな印象でしたか?

A:第1回にしては良いダンサーの卵たちが集まったのではないでしょうか? バレエ全体のレベルが上がっているように思いましたし、こういった場から大きく成長して活躍してくれればいいなと思います。トロフィーもすごく可愛いかったです。

Q:ジュニアを対象にワークショップの講師も勤めていただきましたが、レッスンをするにあたり心がけていることはありますか?

A:私も久しぶりの講師でドキドキだったのですが、今の子供たちは昔みたいに外遊びとかしにくい環境なので、足や腰の筋肉の質が変わってきているように感じます。それはそれですらっとしていてバレリーナらしく見える良い部分もあるので、その良い部分を生かしつつ筋肉を鍛えるようなレッスンしようと思いました。ただ、限られた時間の中でどこまで教えられるか難しかったのです。

Q:実際ワークショップをやってみていかがでしたか?

A:バレエは装置や音楽と照明といったいろいろな人がかかわってひとつの物を作り上げる総合芸術なので、踊る子たちも体の筋肉や音感、バランス、メンタルなど体も総合的にできてないとうまくいかないこともあるのですよ。特にメンタルの部分は難しいところで、体がバレエ向きでなくても 素直な子などが結構伸びてきたりすることもあるので、素直な気持ちが大切だと思います。 参加者はみんなかわいくて、思ったよりブレもなく、各お教室の先生方は真剣に育てていらっしゃるのを感じました。 ある程度のカリキュラムを組んで、あとは参加してくれた子供たちの良い部分を引き出せるよう、様子を見て難しさは調節するつもりでしたが、思いのほかみんなできるので、結果的にはちょっと難しくしました。 一番下のカテゴリーの子たちもがんばってついてきてくれました。私はいつも最初から注意するのではなく、ある程度考えるゆとりを持ってから注意をします。 小さい子たちができたものを大きい子たちができるのは当たり前で、大きい子たちはワンランク上のクオリティを目指すことを考えさせるようにワンポイントアドバイスを言うようにしています。

Q:コンクールについてはどう思われますか?

A:私自身、コンクールで育ったようなところがあります。やはりコンクールの必要性というのは、他流試合だと思うのですよね。同じ教室、同じ顔ぶれで舞台をやっていくのも良いですが、ちょっと外に出て違う人の踊りを見ることや、短い時間だけど舞台にたつということが、私は初めてのコンクールが中2だったのですが、すごい刺激になりました。そして、その経験からすごく伸びました。先生に教えられるままではなく、舞台で人の踊りをみてこんな風に踊ればいいんだといった自発的に何かやろうということに目覚めた時期でした。 コンクールに出たいと思う子はだしてあげた方がいいし、他流試合で刺激を受けることは良いことではないでしょうか? やはり日本は舞台回数が極端に少ないのですよね。私もきっかけは舞台に出たいという気持ちが優先でした。 ロシアに留学して驚いたのは、バレエ学校の生徒にも本公演や学校公演などいろいろな舞台に立てるので、こういった環境で育っていくのだなぁと思いました。 そういう環境ならコンクールは必要ないかもしれないけど、舞台を増やすという意味で自分を高めていくのもいいかもしれないですね。 コンクールに出ることで、いろいろな踊りを見て勉強になるし、来年はこれを踊りたいから違うテクニックを身につけておこうという目標もできますよね。 ちゃんと目的をもって参加することが大切ですね。自分から出たいという気持ちを先生に伝えれば先生もわかってくれると思います。

Q:留学していた時のことを教えてください

A:初めてのバレエ学校の留学は、ペレストロイカ後でバレエより生活の方が大変でした。 数字がわからないと買い物もできないし、最初は数字を紙に書いてました。いろんな面で若かったからできたと思います。 海外では黙ってないで主張しないとだめで、たとえば海賊のバリエーションを踊っても全然主張が足りない表現がわからないと言われ戸惑いました。 言われたことをやっているつもりでもずっとそればかり言われ、ちょっとくじけそうにもなりました。 表現が薄すぎると言われ、確かに向こうの子達は簡単な動きひとつにも嬉しいのか悲しいのかがあからさまにわかり、そういうことを求められているのだと少しずつわかってきました。 やはり、生活から人って変えないといけないと思い、それまでは先生の言うことは黙って受け入れていましたが、自分の考えを伝えるようになりました。 海外のバレエ学校の生徒と自分を比べたら、生活や文化にすごい違いがあります。最初はその環境に合わせなければいけないと思いましたが、留学生活を続けているうちにそれは難しいと思い直しました。私は私という部分を忘れないで、良いところを吸収していこうと考えるようになりました。 私の中では、スタイルではこの人たちにかなわないと思い、技術を身につけて、あの子たちが2周回るなら私は3周回るといったことで区切りをつけてました。 短期でもかまいませんが、私は長期してその国の文化も理解し溶け込むことができたので良かったと思います。

Q:参加者へのメッセージをお願いします

A:賞を取ることを目標とするのではなく、何かを吸収するために出てほしいです。 私もそうですが、周りの人をみることは刺激になるけど、結果的にライバルになるのは自分自身だから、そういったことを考えながら他流試合としていろいろなことを吸収してもらえれば嬉しいですね。

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